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循環素材

海藻由来の包装材:いま、どこまで実現できる?

開いたクラフト紙製の箱と、その横に置かれた斑点のある紙と乾燥海藻

Ocean Materialの材料サンプルを基にした表紙イメージ。

箱の窓から中のチョコレートが見える。コーティングが油脂の紙への染み込みを防ぐ。海藻配合紙では、斑点がデザインの一部になる。それぞれ、海藻を異なる形で生かした使い方です。

海藻由来の包装材には、すでに市場で使われているものもあれば、サンプルとして形になりつつあるものもあります。選ぶ際の出発点は中身です。何から、どれだけの期間守る必要があるのか。そして、使用後の包装はどうなるのでしょうか。

「海藻由来の包装材」とは?

海藻は、フィルムやコーティング材の開発に使える天然ポリマーを供給します。製紙工程で海藻を紙に配合する方法もあります。透明なフィルム、柔軟なコーティング、目に見える風合いを持つ紙のどれになるかは、配合によって決まります。

包装の中で、海藻由来の成分が一つの役割だけを担う場合もあります。窓付きの紙袋では窓を構成し、コーティングされた板紙では保護表面を形成します。海藻配合紙では、紙そのものの一部になります。

海藻を包装に生かす三つの方法

1. 窓と軟質フィルム

窓は、チョコレートから贈り物まで、購入するものを見せる役割を果たします。海藻由来のフィルムは、こうした窓のほか、包材や袋に向けても開発が進められています。

包装加工業者にとって、透明性は出発点にすぎません。フィルムは紙にどう接着するのか。折り曲げや輸送に耐えられるのか。どの程度の湿気まで対応できるのか。こうした確認が必要です。

2. 紙・板紙向けのコーティング

紙は包装に形と剛性を与えます。コーティングは、適切な食品包装用途での耐油性など、特定の保護機能を加えることができます。

Ocean Materialでは、加工業者が塗工するためのコーティング材の配合品と、コーティング済みクラフト紙の両方を扱っています。どちらを選ぶかは、利用できる設備と生産工程によって異なります。

3. 海藻を配合した紙

製紙工程で海藻を紙に配合することもできます。当社の海藻配合紙は淡い自然色で、目に見える斑点があります。その風合いを箱、タグ、印刷物のデザインに生かせます。

製紙工場が生産を開始するには、大きな最低注文量が必要です。現時点では、より大きなプロジェクト向けの開発候補です。ブランドや加工業者が十分な需要をまとめられれば、共同で生産を検討できます。

濃い斑点が見える、淡い自然色の海藻配合紙のサンプル数枚

Ocean Materialの海藻配合紙サンプル。生産開始には十分な注文量が必要です。

包装の窓に求められる役割

当社は包装加工業者と協力し、海藻由来の材料を使ったさまざまなサンプルを開発してきました。ハンバーガーボックス、チョコレートの箱、サンドイッチ包装、窓付き封筒などがあります。これらのプロジェクトから生まれた包装の一部は、すでに小売の現場で使われています。

透明な窓の付いた紙箱や封筒と、横に置かれた乾燥海藻

透明な窓の付いた紙箱と封筒のサンプル。横に乾燥海藻を配置。写真:Ocean Material。

フィルムには、裁断、接着、折り曲げ、輸送への耐性が求められます。食品包装では、製品の保護と想定する食品接触用途も重要です。封筒の場合は、住所が読める状態を保ち、郵送中に窓が外れないことが必要です。

海藻由来のフィルムは水にどう反応する?

アルギン酸塩をはじめ、海藻から得られる多くの成膜物質は親水性があり、水を引き寄せたり吸収したりします。湿気によって、フィルムの手触り、強度、物質の透過のしかたが変わることがあります。

水中での挙動は、配合、ポリマー鎖同士の結合、層の配置、使用条件によって決まります。研究者はこれらの条件を変えながら、新たなフィルムを開発しています。

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乾燥食品の包装、水分を含む食品を入れたトレー、熱いコーヒーのカップでは、課題がそれぞれ異なります。想定される水分への接触条件が、試験する材料を選ぶ手掛かりになります。

油脂・水蒸気・酸素では、必要なバリアが異なる

バリアは、特定の物質の通過を遅らせます。それぞれに対する包装の性能は、別々の試験で評価します。

バリアの対象機能包装設計で確認すること
油脂油脂の浸透や染みを抑える。この食品の油脂に紙が耐えられるか?
液体の水直接接触によるぬれや浸透を抑える。必要な時間と温度で保護を維持できるか?
水蒸気空気との水分交換を遅らせる。保管・輸送中に中身を必要な湿度範囲に保てるか?
酸素酸素の透過を抑える。想定する保存期間中、十分な保護が得られるか?

アルギン酸カルシウム複合フィルムの研究では、試験した配合で有望な酸素バリア性が見られました。研究者は、湿度の低い環境での用途がより適しているとしています。

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耐油性のある包材は、油脂を含み、全体としては乾燥している食品に適する場合があります。一方、温かい飲み物は液体や熱との接触が続くため、別途評価が必要です。

窓付き包装では、窓の面積、紙、接着剤、封止部分のすべてが保護性能に関わります。近い条件で測定したバリア性能を比較し、組み立てた包装全体を試験してください。

一つの包装で複数の機能を組み合わせる

紙が剛性を担い、ある層が油脂を防ぎ、別の層が水分移動を遅らせたり封止を可能にしたりします。一つの配合が複数の機能を担うこともあります。

機能を補い合う層の組み合わせは、海藻由来の包装材の開発手法の一つです。塗工の順序、基材への密着、折り曲げや封止のしやすさが互いに適合する必要があります。層の順序は材料と用途によって異なります。

目指すのは、必要な保護をできるだけシンプルな構成で実現し、使用後の資源回収も考えることです。追加する層には、それぞれ明確な目的が必要です。

包装一個当たりのコストは何で決まる?

コーティング材の一キログラム当たりの価格だけでは、コストの一部しか分かりません。一つの包装にどれだけ必要でしょうか。水系配合では、固形分濃度が、水の蒸発後に残る乾燥材料の量を示します。

塗工量、塗工回数、乾燥、ライン速度がコストに影響します。加工中に失われる材料や、仕様を満たさない包装などのロスも重要です。

比較すべきなのは、必要な保護性能を備えた完成包装のコストです。材料開発者と加工業者は、プロジェクトの早い段階でこうした兼ね合いを検討できます。

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海藻が原料として注目される理由

海で養殖する海藻は、養殖段階で農地や淡水による灌漑を使わず、再生可能なバイオマスを供給します。責任あるサプライチェーンの評価には、調達や加工も含まれます。

環境面の比較では、養殖・採取から乾燥、加工、他の配合成分、輸送、使用後の処理まで、全体を追う必要があります。中身を保護する包装の能力も考慮します。

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Ocean Materialは、ここで紹介する海藻由来の材料を家庭でのコンポスト化を想定して設計しています。材料が環境中に流出した場合にどうなるかも考えています。そうした状況で害を与えずに生分解することが、当社の開発目標です。

その原料は、すでにほかの用途に使われている?

ほかの作物の加工副産物も、バイオマス由来の包装材の候補になります。ただし、すでに用途が確立しているものもあります。例えばビール粕は、家畜飼料やバイオガス製造に使われています。公平な評価では、由来、既存用途、必要な加工を考慮します。

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こうした副産物の中には、加工によって高い純度や均一性の要求を満たせるものもあります。適性は、必要な品質の原料を安定して供給できるかどうかにかかっています。

材料サンプルから、実際に使える包装へ

Ocean Materialは、世界各地の研究開発パートナーや包装加工業者と協力し、海藻由来の材料を包装用途につなげています。

材料の選定、サンプル評価、加工の調整、適したサプライチェーンの構築を支援します。ブランドが求めるものと、加工業者が製造できるものを結び付ける仕事です。

出発点は、製品、必要な保護、想定注文量です。これらがフィルムやコーティング材、加工工程、調達方法の選択を導きます。

海藻を直接加工する方法については、押出成形で海藻からポリマーへをご覧ください。

新しい包装の開発や、より大きな規模の紙のプロジェクトを検討している場合は、想定する構成と数量についてOcean Materialにご相談ください。

出典

海藻由来の包装材に関するよくある質問

包装全体が海藻からできているのですか?

海藻の含有量は構成と配合によって異なります。窓付きの紙袋では、フィルムに海藻由来の成分が含まれる一方、紙、接着剤、その他の部材はそれぞれ別の組成を持ちます。

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海藻由来のコーティング材は温かい飲み物にも使えますか?

コーティング材とカップの構成によります。温かい飲み物には、使用中ずっと液体を通さないバリアが必要です。油脂の多い食品向けのコーティング材を温かい飲み物のカップに使うには、温度、接触時間、漏れに対する別個の試験が必要です。

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海藻由来のペレットで撥水性のある包装を作れますか?

はい。用途に適した配合が必要です。ペレットは材料の供給形態です。完成した包装の撥水性は、その組成と構成によって決まります。アルギン酸塩をはじめ、海藻由来のポリマーには湿気を吸収するものが多くあります。水との接触が長く続く場合は、別の材料や保護用の外層が必要になることがあります。その用途では、ほかのバイオマス由来の材料のほうがシンプルな選択となる場合もあります。海藻由来の材料は、油脂が紙に染み込むのを防ぎたい場合や、乾燥した製品向けのフィルムで酸素の透過を抑えたい場合に特に関心が寄せられます。水しぶきに耐えるのか、熱い湯を入れるのか、紙への油脂の浸透を防ぐのかによって、材料の選択は変わります。

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海藻由来の包装材は食べられますか?

食べることを想定して開発され、食用として販売されている製品だけが対象です。海藻由来の包装フィルムやコーティング材には、ほかの成分が含まれることがあり、中身の保護だけを目的に設計されている場合もあります。

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紙のリサイクルでは海藻由来のコーティングはどうなりますか?

板紙を水中で離解すると、紙の繊維が分かれます。コーティングがどうなるかは、配合と最終構成によって異なります。ラボ試験では、スクリーンの残さ、工程水に移る成分、回収繊維から作った紙の品質などを調べられます。

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海藻配合紙を古紙に混ぜると、紙の品質に影響しますか?

当社の紙サンプルが古紙の配合に与える影響は、まだ明らかではありません。同じ古紙配合について、サンプルを加えた場合と加えない場合を比較すれば、繊維収率、目に見える粒子、紙中の粘着物による付着の変化を確認できます。元の紙の斑点から、再生紙の仕上がりを判断することはできません。

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Ocean Materialの海藻由来の材料は家庭でのコンポスト化を想定していますか?

Ocean Materialは、ここで紹介する海藻由来の材料を家庭でのコンポスト化を想定して設計しています。完成した包装では、紙、接着剤、その他の部材も関わります。自治体の有機ごみ回収で受け入れられるものは、地域の収集ルールによって決まります。

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食品に使う前に、何を確認する必要がありますか?

最終構成が、食品と使用条件に適している必要があります。油脂や水分の量、温度、接触時間、フィルムの加工方法が重要です。食品接触に関する書類と保護性能は、その用途に即して評価します。材料単体の評価だけで、あらゆる完成包装をカバーすることはできません。

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ここで紹介している海藻配合紙は注文できますか?

掲載している紙は開発用サンプルです。製紙工場での生産開始には、十分に大きな注文量が必要です。Ocean Materialは、関心のあるブランドや加工業者と想定需要を話し合っています。コーティング済みクラフト紙は別の材料で、注文条件も異なります。

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出典・関連資料: Dysjalandほか(2022)、Molecules:海藻粉末を含むアルギン酸塩フィルム · Mohammedほか(2023)、Food Hydrocolloids:食品包装向けアルギン酸カルシウム複合材料 · 欧州委員会:バイオマス由来・生分解性・コンポスト化可能なプラスチック · ドイツ連邦環境省:有機ごみ容器に入れてよいもの・いけないもの · Cepi:紙・板紙のリサイクル適性ラボ試験法、第3版(2025) · 押出成形で海藻からポリマーへ

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